グレー太郎のブログ

歳をとってきました

炎上した漫画家カクイシシュンスケさんの主張に見るどこにでもある問題。

ドラゴン桜やインスペクターZでおなじみの三田紀房先生にかみついた元アシスタント現漫画家のカクイシシュンスケさん。

ざっくり経緯を並べると

 

news.yahoo.co.jp

 

この記事に対して自分が働いてた期間は残業もあったけど払われなかったとブチ切れ

 

kakuishishunsuke.hatenablog.com

 

こういう記事を書いて絶賛炎上中

 

これにブラックジャックによろしくでおなじみの佐藤秀峰先生がnoteを上げた。

note.mu

 

カクイシさんの反論がtwitterであって、さらにこう

note.mu

 

佐藤先生の正論のキレ!この正論の重みと言ったら!

キレイにボコボコどころか真っ二つにされたカクイシさんは現在沈黙モードに入った。

カクイシさんの可哀想なところは漫画家としての立場を明かしてしまっているので消して逃亡モードに入れない点だ。

 

 

 

カクイシさんの主張は実は正しい。

正しいから本人も大胆に炎上バズ狙いで記事をアップしたことだろう。

『正しい』問題提起だから、制御できる炎上で終わるはずと。

 

カクイシさんの誤算は穴が沢山あったというだけだ。

 

根本にあるのは雇用者と被雇用者のよくある問題。

被雇用者である以上不満がゼロであるというのは極々少数派になるだろう。

雇用者は自分の経営に難を感じて居ながらも現実問題と向き合わなければならない。

 

勿論搾取するようなブラック企業がいいという話ではない。

ホワイト企業がいいに決まってる。

可能ならばすべての経営者は自分の企業をホワイト企業と呼ばれる体質にしたいと思って居るはず。

 

現実が伴うならば。

 

殆どの主張については佐藤先生が見事にぶった切ってるのでそちらを読んでいただくと良いと思う。

 

 

 

何故こんな記事を書いたのかという点について最後に述べたい。

 

この問題はマンガ家とアシスタントという形式だけど、アフィリエイト業界でも全く同じ事が言えるからだ、

 

外注アフィリエイター→外注アシスタント雇用

組織化アフィリエイター→内勤アシスタント雇用

漫画の印税→作成したアフィリエイトサイトからの収入

と読み替えると判りやすい。

 

印税インセンティブを要求→サイト収益からのインセンティブを要求。

 

 

こう読み替えるとこのカクイさんがどれほどバカなことを言ってるのかが良くわかるだろう。

 

佐藤先生が仰っている内容が見事すぎるので一分引用したい。

これは僕もスタッフから似たようなことを言われたことがあります。「ブラックジャックによろしく」が大ヒットしていた頃、「スタッフにも印税を分配するべきだ」と。この主張は明確に間違っています。作画スタッフが制作した絵は業務著作物です。成果物である絵の著作権は作家、あるいは作家の経営する会社に帰属します。ですので、著作権収入に当たる印税をスタッフに支払う義務はありません。作品のヒットで作家や会社の収入が増えた場合は、印税を分配するという考え方はせずに、昇給や賞与で対処すべきでしょうね。
印税が欲しいのであれば、経営に参加するしかないでしょう。その場合、収支が赤字になれば報酬が無いばかりか、借金を背負うことになります。あるいは記事中に登場するA社のように契約書にインセンティブを支払うような条項を加えるよう交渉してもいいと思いますが、基本給を減額するなど何か材料がないと交渉になりにくいでしょうね。カクイシさんも自分が漫画家になったときに、スタッフにインセンティブを支払えるか考えてみれば、難しいことに気がつくかもしれませんね。

 

経営者だったり、サイト作成だったりというのはリスクを背負う。

勿論インセンティブを出している経営者アフィリエイターの方も居るだろう。

それは全く問題ない。

それがその人の経営方針だからだ。

インセンティブがほしいならリスクをとらなければならないし、雇用条件に不満があるのなら交渉しなければならないだろう。

 

アシスタントが漫画家に意見を言う事ができますか?

雇われの会社員が経営者である社長に意見を言う事ができますか?

 

全く同じことなのだが漫画業界だけが特殊だと思い込んでしまった彼の過失は重い。

 

 

残業代請求をしておらず、問題提起のみだったらよかった。

印税インセンティブについては自分ももちろんやっている、やる契約をしたという状況ならよかった。

もっと漫画家として成功し、やることをやってからならよかった。

 

金を要求してしまった時点で金目的かという目で見られるのは当然だし、お前はどうなんだという目で見られるのもまた当然。

そして、偉そうなことを言うがお前は何を為したのかという目でも見られる。

 

言ってる内容は表面上正しくとも自分が向けられる目を考えなかったが故に炎上してしまった。

 

ただでさえ困難な漫画家としての道も、結果的には自分で更に難易度を上げてしまった。

 

 

被雇用者と雇用者の間にある隔たりはいつの時代も大きい。

 

それにしても佐藤秀峰先生、海猿でフジテレビと喧嘩したりブラックジャックの二次使用フリー化とやんちゃをしていらっしゃるので問題児なのかと思い込んでいた。

まさかここまで知的な方だとは。

元々佐藤先生の作品は好きだったがファンといての立場がガチになった。

 

 

あとさ、この絵は俺が殆ど描いたってそれ業務としてやったんだろ。

それで金貰ったんだろ。

その絵の著作権は誰が持ってるんだろうね?

引用元書けばいいってのは勘違いだよ。

自分に否定的な記事に引用されるのを許諾する著作者は極稀。

 

クリエイターなのにねえ。